アオサギを議論するページ

続・シーズン最終盤

ひと月以上前に、「シーズン最終盤」のタイトルで記事を書いておきながら、じつはまだ終わっていません。細々とながら未だに続いています。コロニーがだんだん寂しくなってきたな、と思ってからが意外に長いのは毎年のこと。それでも、8月上旬にはぱらぱらとしか見かけなくなり、今頃は1羽もいなくなっているのが札幌近郊だと普通です。ところが、今年はまだがんばっているところがあるのですね。

札幌近郊の江別コロニーでは、今年は170つがいほどが営巣しました。3月中頃にコロニーにやってきて、求愛や巣作りをした後、4月いっぱいは抱卵期。ゴールデンウィーク頃に次々とヒナが誕生し、約2ヶ月後、7月初め頃からどんどん巣立ちはじめます。ただし、それは全て順調にいった場合の話。ひと月くらい遅れてやってくるのもいますし、途中で失敗して再営巣するのもいます。なので、全てのサギがコロニーからいなくなるのは8月に入ってからなのです。

再営巣はアオサギではよくあることで、繁殖期の早い段階にやり直せれば、他より多少遅れてもヒナを無事巣立たせられます。これがあまり遅くなると、ヒナは生まれても最後まで育てることができず、周りからサギの姿が少なくなる頃には、そういった巣は徐々に放棄されていきます。江別コロニーでも7月半ばまでは再営巣で小さなヒナを育てている巣がいくらかありました。ただ、その時期にまだ孵化後3週目ていどだと、ほぼ例外なく上手くいきません。繁殖期自体が長いもっと南の地方であれば、かなり遅くなっても大丈夫かもしれませんが、北海道の場合はそういうわけにもいかず、これ以上はもう無理というタイミングがかなりシビアに決まっているようです。

ところが、今年の江別コロニーには、そんなことにお構いなく黙々と営巣を続けているところがあるのです。その巣のヒナは、現在、孵化後6週目というところ。ここもじつは再営巣した巣で、1回目の営巣の時は5月半ばにヒナを確認しています。ここまでは子育てのスケジュールとしてほぼ標準。ところが、5月末にハシブトガラスにヒナが襲われ失敗してしまったのです。その後、間もなく営巣を再開し、2度目のヒナが生まれたのは7月初旬のようです。他の巣のヒナが巣立ちはじめる頃にようやく生まれたわけですから、ざっと2ヶ月もの差があります。本来なら、7月中に親が諦めてしまうのが普通ですが、ここの親はがんばりました。見ていた範囲では一度も兄弟げんかがありませんでしたから、親は十分な餌を与えていたのでしょう。3週目、4週目頃までは、いつ空っぽの巣になってもおかしくないと思って見ていましたが、6週目ともなればもう大丈夫です。

じつは、何が素晴らしいといって、ここの親はヒナを4羽も育てているのです。今年、江別のコロニーから巣立ったヒナは、1巣あたり約2.3羽というところです。2羽か3羽が普通で、4羽のところは全体の1割あるかないか。4羽巣立たせるというのはそれだけ大変なのです。しかも、再営巣では1回目の営巣時より産卵数が少ないとされています。それなのに、この時期に4羽です。カラスにやられても、たんたんとやり直し、記録的な遅さで、しかも4羽ものヒナを育てている、ここの両親は間違いなく、今シーズン、江別コロニーのMVPです。この先、ヒナたちが完全に巣立つまで2、3週間。なんとか全員無事で巣立ってほしいものです。


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