アオサギを議論するページ

ひと休み

この時期に吹雪かれるのは真冬に吹雪かれるより寒く感じますね。アオサギはどうなのでしょうか。

数日前から巣作りをはじめた江別のサギたちですが、今日のコロニーはふたたび空っぽ。卵はまだ産んでないので、天気が悪ければ敢えて巣に留まる必要もありません。荒れた日は風の避けられるねぐらに戻ってひと休みです。

写真は今日のねぐらの様子。ここに写っているのが現在までに渡ってきているメンバーのほぼ全てです。ここの繁殖地は最盛期には三百数十羽が営巣しますから、今現在到着しているのは全体の6分の1か7分の1というところ。今いるのは皆、子育て経験豊富なサギたちなのでしょう。ところで、写真には少なくとも47羽が確認できます。皆さん、何羽まで数えられますか? (注意:くれぐれもあまり真剣に数えて悩まないように。言われなければまず分からない隠し絵みたいなのも何羽かいますから)

巣作り開始

江別コロニーのその後。16日は20羽弱だったアオサギが、17日はコロニーに38羽、ねぐらに6羽と一日で倍増しました。17日は適度な南風があったので風に乗ってやって来たのですね。これからも南風が吹くたびにどんどん渡ってきそうです。

コロニーでは、早いところはすでにペアができて巣作りも始まっています。この時期、雪に覆われた地上で巣材を見つけるのは大変です。ただ、今なら誰も使ってない巣が周りにたくさんありますから、使い古しの巣材でよければ簡単に調達できるのです。

ところで、アオサギの巣は雪の重みで落ちてしまうのもあれば、春までしっかり残るのもあります。どのくらいの巣が残るかは、その地域の気象条件や使われる巣材のタイプによって変わるはずでます。比較的、積雪量の多い江別コロニーの場合だと、すっかり無くなるのは全体の2、3割といったところ。残りは多かれ少なかれダメージを受けながらも何とか枝にしがみついています。

さて、春先、早くからコロニーにやってくるサギたちは早いもの順に営巣場所を選んでいきます。多くは残っている巣にまず陣取るようですね。ところが、使われていない空巣が周りにあっても、敢えて何も無いところに一からつくり始めるペアもいます。手間をかけても自分の好きなところに巣をつくりたいのでしょう。手っ取り早いからといってガタの来ている巣を適当にリフォームして、ヒナが生まれた頃にばらばら崩れたのでは後悔してもしきれませんからね。最初から自分でつくったほうが後々安心できるのかもしれません。あるいは、巣があろうが無かろうが、ともかくこの場所が好きなんだということかもしれません。ロケーションは大切です。何も考えずに適当なところにつくったら、あとあと隣近所との関係が面倒なことになりかねませんから。

シーズン到来

とうとう北海道にもアオサギが渡って来たようです。あちこちから初飛来の便りが届きはじめました。春めいてきたかなと思ったら、必ず来ますね。人間の私でも季節の移り目が分かるくらいですから、常時、自然の中で暮らす彼らなら、私たちよりはるかに正確に時を感じられるのでしょう。

写真は江別市にある冬ねぐらで羽を休めるアオサギたち。ついでにオオダイサギも1羽混じってます。氷のすっかり落ちた水辺といい、春の陽の反射の眩しいことといい、もう冬の光景ではないですね。

じつは、札幌近郊では少数が越冬しているため、この時期のアオサギは渡ってきたサギなのかここで冬を越したサギなのか判断しづらいのです。けれども、昨日この冬ねぐらにいたアオサギは20羽。越冬サギの数ではとても説明しきれません。明らかに渡りのサギたちが混じっています。その前日、札幌の平岡コロニーにも初飛来があったようですし、アオサギシーズン、いよいよ開幕です。

シーズン間近

日に日に日射しが明るくなってきました。北海道にアオサギが渡ってくるのももう秒読み段階です。

この冬は寒さが厳しかったせいか、札幌近郊のねぐらには10羽そこそこのアオサギしか残りませんでした。厳冬期にはさらに減り、1羽いたりいなかったり。一番多いときでもせいぜい3羽というところでした。今年の冬は、ねぐらにオジロワシが2羽も来ているので、そのことも少し影響したかもしれません。ねぐらでオジロがアオサギを襲うことはまずないでしょうけど、アオサギにしてみれば落ち着きませんからね。まあ、それでも時期が来れば彼らは戻ってきます。あともう少しです。

そんな北海道ですが、じつはすでに繁殖活動を始めているところもあります。帯広の街中にあるコロニーがそうで、毎年2月中旬には数つがいが巣をつくりはじめます。今年も、もう来ている頃かなと2月半ばに見てきたところ、アオサギの代わりにいたのはオオタカでした。そのうち2羽ばかりアオサギがコロニーに降り立ったものの、オオタカがいるのがどうも気に入らない様子。写真のように首をニュッと突き出してオオタカを確認すると、すぐに飛んでいってしまいました。体の大きさからすればアオサギのほうがいくぶん大きいのですけどね。大きさの問題ではないようです。

ただ、帯広のコロニーは特別で、北海道の場合、アオサギが繁殖を始めるのは普通は3月中旬以降になります。2月はまだ左の写真のような状況で、シーズンが始まりそうな気配は全くありません。更科源蔵の詩『蒼鷺』のような雰囲気です。『蝦夷榛に冬の陽があたる 凍原の上に青い影がのびる 蒼鷺は片脚をあげ 静かに目をとぢそして風をきく 風は葦を押して来て また何処かへ去って行く』 そんな感じですね。ゆっくり春を待つしかありません。焦ってコロニーに行ったところで、巣の上には雪がどっさり乗っかって巣作りどころではありませんから。

ところで、ここのねぐらには毎年のようにシラサギが1、2羽やって来ます。たぶんオオダイサギです。厳冬期には見かけませんが、冬も終わりに近づくこの時期にだけここに現れるのです。徐々に北に向かって移動しているということなのでしょうね。

冬を南の地域で過ごしたアオサギたちももう動き始めていることでしょう。この越冬地にも、付近に散らばっていた越冬サギたちがもう間もなく戻り始めます。越冬サギが集結し始めたら、何日も経たないうちに南からの第一陣が渡ってくるはずです。そうなれば、もう春ですね。

ページの先頭に戻る