アオサギを議論するページ

バンクーバーの海岸にて

先日、アメリカに行ったついでにバンクーバーに寄ってきました。もちろんオオアオサギに会うのが目的です。この地域は太平洋に面していますが、入り江が深くまで入っているためサギたちの餌場には事欠かないようで、さらに、北海道より北に位置しているのに冬も温暖で雪もほとんど降りません。このためオオアオサギは冬も南へ渡ることなく年中ここで過ごしているとのことです。

そのように素晴らしい環境ということもあって、この地域は昔からオオアオサギの研究が盛んです。とくにバンクーバーのブリティッシュコロンビア大学ではこれまでいくつもの優れた研究がなされてきました。たとえば1974年にはJ.R.Krebsがコロニーに出入りするオオアオサギの飛翔方向を観察して有名な情報センター仮説の検証を試みています。そのとき観察したコロニーというのがじつは同大学のすぐ脇の森にあるんですね。Googleの地図で調べたところ現在はもう無くなっているようですが、当時の雰囲気だけでも感じられたらと思い、コロニーのあった辺りを訪ねてきました。

dscn0110写真がその森です。あとで当時の論文を見直すと、当時のコロニーは写っている場所の尾根を超えた向こう辺りになるようですが、まあいずれにしても雰囲気自体は同じようなものだと思います。針葉樹の優先する森で、その目前にはいかにもサギが餌場として好みそうな浅瀬が広がっています。これはサギがいるはずだと思っていたら、案の定、遠くに佇むオオアオサギの姿を確認。それがオオアオサギとの初めての出会いでした。

森のほうからはワタリガラスのどこか神々しい声。先の情報センター仮説については私も別角度から調べたことがあるだけに、当時、J.R.Krebsはこんな雰囲気の中で観察していたのだろうなと思うと感慨深いものがありました。

ただ、現実はいつもそんな独りよがりを許さないもの。観察している間、私の背後でパンツをはいていないおじさんがうろうろしているんですね。見間違いかと思いつつ、なんだか居心地の悪いものを感じていたのですが、観察を終えてあらためてビーチを見るとあっちにもこっちにも裸ん坊の人たちが…(ただしお腹の出た中高年のおじさん限定)。帰りに気付いた看板にはClothing Optional Beach(服は着るも脱ぐもご自由に)と書かれていました。

サギたちの見る景色も時代とともに変わっていくんですね。


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