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北空知新聞
内海さん(幌加内)2月に東京で写真展

水辺の貴公子・アオサギ 美しくも知られざる姿を
急増する駆除への警鐘も

【幌加内】身近に見る機会がありながら、あまり知らない——。そんな野鳥・アオサギの美しくも知られざる姿を紹介しながら、近年、激増する駆除への警鐘をも込めた写真展を2月、町内に住む写真家が東京で開く。

内海千樫さん(69)=幌加内町雨煙内=。

内海さんは生まれも育ちも東京で、帯広畜産大卒。プロの動物写真家として本州を拠点に活動を続け、「毎日グラフ」へ年間連載の経歴を持つ。

幌加内には、78年(昭和53年)に入植。97年から養豚業の傍ら、アオサギの写真を撮り続けてきた。これまでにアオサギをテーマに旭川のNHKギャラリーなどで6回の写真展を重ねる。

今回の写真展「水辺の貴公子『アオサギ』」、は、内海さんにとって写業の集大成ともいえるものだ。南から北海道に渡って来て、秋に再び南へ帰るまでのアオサギの生態を撮った54点を並べる。全紙サイズが中心で、オールカラー。

アオサギは、体長90センチ前後、翼開長170センチ前後。白と黒のアクセントが目を引く大型の鳥だ。外観は大きいが、マガモ3.0キロ、タンチョウ10.0キロに比べ体重は平均1.5キロほどしかない。


97年から16年間にわたって内海さんは、旭川や名寄など道内各地でアオサギを撮り続けた。その数十枚の中から厳選したものを展示する。

春先に渡って来て、婚姻色でくちばしを朱に染めた雄が、くちばしを上方に向け首を伸ばし「ウー」と鳴いて雌に情愛を伝えるディスプレーの様子、たくさんのアオサギがコロニー(集団繁殖地)近くの川辺に集結した巣立ち直後の”成人式”の貴重な写真があるほか、雄が雌の羽づくろいをするカット、雛(ひな)の姿、真っ白なアルビノ個体も。

カップルをつくり、営巣、産卵・孵化(ふか)、子育て——など、アオサギの生態を細やかに紹介する。

身近にいながら、あまり知られていないアオサギの美しい姿をたくさんの人に知ってもらいたい——という内海さんの願いがこもる。


一方で、今写真展は、許認可が国から地方自治体の裁量に委ねられてから激増する、安易なアオサギ駆除への痛烈な警告メッセージを含む。

環境省の鳥獣関係統計によると、アオサギの駆除数は、99年(平成11年)に79羽だったが、翌年には388羽、04年(平成16年)には1173羽、その3年後には2865羽、09年には3281羽と急激に増え続けている。

「北海道のアオサギは繁殖に関与しない個体を入れても8千羽もいないと思う。巣立ち直後の個体数が多いときを除いて本州も含め多く見積もっても国内のアオサギの個体数は2万羽がいいところだ。それなのに3千羽も駆除するのはいいことなのか?」(内海さん)

駆除する理由として、養魚場の被害、コロニーの糞害(ふんがい)などが多いとされる。

アオサギの生態・個体数はいまだよく分かっていない。「国から裁量を委ねられ駆除の許認可を与える市町村の担当者が、きちんと理解しているとは考えにくい」(内海さん)。

アオサギは、天然記念物でもなく、絶滅危惧種にも指定されていない。内海さんは、「普通種こそ理想の姿。普通種とどう付き合うかということが問われている。今回の写真展がそのことを考えるきっかけになればいい」と話す。

写真展は、貴重な野生種・アオサギとわれわれ人間はどう向き合えばいいのか——という課題提起と安易な駆除に今一度警鐘を鳴らすものとなりそうだ。

写真展「水辺の貴公子『アオサギ』」は、アイデムフォトギャラリー『シリウス』(新宿区新宿)で2月7日から6日間(日曜休館)。無料。

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