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丹波新聞
帰って来た“サギ集団” 篠山市黒岡の春日神社・鎮守の森
写真・今年も春日神社の森で始まったサギの集団営巣。木の枝をくちばしにくわえて運び込み、巣作りに励むダイサギのつがい

篠山市黒岡の春日神社の裏手にある鎮守の森に数多くのサギが飛来し、営巣を始めた。昨年、これまでにない大規模なコロニー(集団営巣)を形成し、近隣住民をフンや悪臭、鳴き声などで悩ませたサギたち。昨年の経験からサギが訪れないように、また営巣しないようにと、住民らはさまざまな対策を練ってきたものの、努力むなしく、今年も頭を抱える時期が訪れた。「できることはしたが、それでも意味がなかった。これからもずっと悩み続けなければならないのか」。関係者からは悲痛な声が漏れる。

サギは繁殖期となる春先から夏の終わりにかけて集団で営巣し、たくさんの巣が一カ所に集まった「コロニー」を形成。春日神社でも2月の終わりごろから、アオサギやゴイサギ、コサギ、ダイサギなどが集まりだし、木の枝を次々に運び込んで巣作りに励んでいる。

同神社では数年前にも営巣していたが、昨年になって突然、大規模化し、100羽以上のサギが群れをなした。撒き散らされるフンや餌となる魚やカエル、巣から落ちたヒナの死骸が悪臭を放ち、住民らを悩ませた。

専門家によると、大規模化した理由としては、これまで巣作りをする先々で被害に悩んだ住民らが木の枝を伐採するなどの対応を取ってきたため、営巣地が減ったことや、手を入れることが難しく、対応がしづらい鎮守の森が生活しやすかったことなどが挙げられるという。

本来、サギは人家に近い場所や川から遠い場所では巣作りをしない。昨年、無事に繁殖できたという成功体験があり、よほど“住み心地”が良かったとみられる。

サギのフンは強酸性で木の立ち枯れを招く。同神社でもすでに昨年からの影響で、一部の木が枯れかけている。また、南方の島から渡ってくるサギは鳥インフルエンザの媒介者となる可能性も危惧されている。

昨年は隣接する自治会で大きな問題となり、市に対応を求める要望書も出された。しかし、鳥獣保護法では、野鳥も含めた自然動物の捕獲や殺傷などを禁じており、追い払いはできても、居ついてしまったサギには手出しができない。

◎住民らサギ対策勉強会を開催
住民らは、専門家を招いてサギ対策の勉強会を開催。今年は第1陣のアオサギが飛来した2月から約1カ月間、毎朝晩、ロケット花火による追い払いを行ったり、木のせん定や防鳥ロープを張るなどの対応を行った。

地上約30メートルの木に防鳥ロープをかけることは至難の技で、ゴルフボールやスーパーボールにロープをつけてテニスラケットで打つなどしたが届かなかった。最終的に大きなパチンコを使うことでロープはかけられたが、作業に出た住民らに疲れを残した。

それでも一時的に効果は見られ、アオサギの数は昨年の4分の1ほどに。しかし、アオサギの一部が営巣を始め、手出しができなくなってから、第2陣、3陣で大量にやって来たシラサギが巣作りを始めてしまった。

◎来年に向けて「対策考える」
上二階町自治会長の前川善昭さん(63)は、「もう手出しができない時期に来てしまったので、今年は付き合うしかない。サギも居場所がなくなってかわいそうなのはわかるが、近隣住民は本当に迷惑している。来年に向けてまた対策を考えるしかない」とぽつり。

日本鳥学会会員の片岡宣彦さん(53)=味間南=は、「“サギ山”の問題は全国各地で起こっている。追い払いの先進事例として、竹生島(滋賀県)のカワウや昆陽池(伊丹市)のカラス対策として実行された『鳴子作戦』がある。木の樹冠部にロープと鳴子を張り巡らし、引っ張ると音が出るという仕組み。しかし、いずれ鳴子の音にも慣れ、効力を失う時が来る。追い払いには決定打がない」と話している。

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