アオサギを議論するページ

アオサギのゆるキャラ誕生!

北海道浦幌町のアオサギをモチーフにしたマスコットキャラクター、「ウラハ」と「ホロマ」。この度、着ぐるみが出来たようです。先月末の十勝毎日新聞に写真付きで記事が出ていました。

ウラハとホロマ、どんどんメジャーになっていきますね。嬉しいことです。ただ、記事の写真を見るとアオサギの面影がほとんど無いのが残念。 右の写真は浦幌の町にあった看板で、こちらはわりとアオサギらしさが残っています。「うらは・ほろま」の公式サイトに描かれているイラストも同じで、横向きの姿にはちゃんと冠羽も描かれています(たとえばこちら)。原画からぬいぐるみへ、ぬいぐるみから着ぐるみへと変遷するうちに、少しずつデザインが洗練されてアオサギのイメージが薄らいでいった感じですね。

ということで、ゆるキャラに進化したウラハとホロマですが、鳥は鳥だけれども、なんだか飛行機のように見えて仕方がありません。そんなふうに思っていると、実際に飛行機をデザインしたゆるキャラがいました。成田市の「うなりくん」。元にしたものは全く違うもののはずなのにかなり似ています(ただし、着ぐるみの写真でないと、似ている雰囲気が分からないかもしれません)。興味のある方はぜひ検索してみてください。

じつは、ウラハとホロマについては以前もここで紹介したことがあって、その時はアオサギを自治体の鳥に制定しているのは浦幌町だけではないかと書きました。しかし、その後、気になって調べてみると、なんと、他にもあったのですね。秋田県男鹿市と三重県尾鷲市。言われてみればもっともです。 両市ともアオサギの一大繁殖地を抱えた自治体なのでした。

ところで、新聞記事には、これで『ゆるキャラさみっと協会』へも加入できるというようなことが書かれていましたが、そんなことより、サミットをやるならまずは『アオサギサミット』でしょう。浦幌町、男鹿市、尾鷲市、そして、現在、国内最大規模と思われる網走湖コロニーのある大空市、この4市町でぜひ盛大に開催してほしいものです。オブザーバーとしてうなりくんに来てもらっても構いません。


およそ百数十万羽

どの鳥がどこに何羽くらいいるかというのは、分かっているようで意外に分かっていないもの。小さな範囲ならともかく、世界規模となるとほとんど見当もつきません。ですが、そこをなんとか、不確かな情報は不確かなりに繋ぎ合わせて、とても大雑把ではあるけれども一応の個体数は見積もっておこうという努力はなされています。

『Waterbird Population Estimates, Fourth edition(水鳥の個体数推定 第4版)』という本は、そのタイトルが示すとおり水鳥の個体数の推定値を一覧にしたもので、世界中のあらゆる水鳥が網羅されています。水鳥だけで陸の鳥は含まれていません。考えてみれば、野山の鳥の個体数を調査するのは水鳥に比べればはるかに難しいのでしょうね。猛禽などを別にすれば個体数についてはほとんど分かっていないのかもしれません。なお、上の本はWetlands Internationalのサイトで名前とメールアドレスを書けばタダで入手できます。興味のある方は是非ダウンロードしてみてください。

この本、もちろんアオサギも載っています。せっかくなので、そこにあった数値を地図上に載せてみました。背景に用いた分布図は『The Herons』(Kushlan and Hancock, 2005)からの引用です。もともと幅のある推定値を私が思いきって概数で示したものなので、大雑把な数値がさらに大雑把になっています。もしかしたら実数とは総数で50万羽くらいかけ離れているかもしれません。ともかく、一応の目安ということで。

不正確な情報しか得られないところが多い中、場所によってはかなり正確に調べられているところもあります。とくに西ヨーロッパは推定個体数が26万3千羽から28万6千羽と、推定値の誤差範囲は±4%ほどしかありません。あちらはそれだけ熱心に調べているということなんですね。中央・東ヨーロッパになるとやや精度は劣ってきますが、それでも他の地域に比べると桁違いに正確です。たとえば、その東隣の中央・西南アジア。ここでは2万5千から100万羽と、もはや推定値とも呼べないような値になります。これは日本を含む東・東南アジアも似たようなもので、こちらは10万から100万羽の間。あって無いような値です。実際のところはどうなのでしょうね。たとえば北海道ではおよそ1万羽が生息していると見られています。これは国内のアオサギ密度としてはおそらく高いほう。本州以南のアオサギ密度はもっと低いと考えられますから、日本全体ではたぶん2万羽ぐらいではないでしょうか。さらに南のほうはというと、地図をご覧いただければ分かるように、アオサギは中緯度で繁殖し、低緯度はほとんど越冬地としてしか利用していません。低緯度で繁殖地となっているスマトラ島でも、そこの生息数はわずか千羽ないし2千羽。その程度なのです。中国にはちょっと期待できそうもありませんし、あと大きな個体群の可能性がありそうなのは極東のハンカ湖周辺くらいでしょうか。そんなことで、東・東南アジア地域でのアオサギは多くても30万羽ほどではないかと私は勝手に予想しています。あと分からないのはアフリカですね。ここはさらに見当がつきません。推定値は10万から100万となっていますが、ここも30万羽もいれば多いくらいでしょう。

ということで、これらを全部合わせると、地球上に住むアオサギの総数は139万羽。根拠の乏しい推測が相当含まれているのであまり当てにはなりませんが、目安としてはこんなものだろうと思います。まあだいたい当たっているとして、私の住んでいる札幌市の人口が現在192万ですからそれよりもずっと少ない数です。
こんな計算をするたびに、なんだか人間の数がとてつもなく多く思えてきます。


アオサギは原発を止められない

ずっと前から左側のお知らせ欄に載せていた『さようなら原発1000万人アクション』。今日、東京の明治公園で行われたデモに6万人もの参加があったようですね。素晴らしいです。今、原発に反対する人、推進する人の割合がどのくらいなのかよく知りませんけど、こういうのは割合云々より、ひとりひとりの関心の高さ、熱意が重要なんだろうなと思います。その点では、反対する人のほうに圧倒的に分があるのではないかと。

署名のほうもすでに100万人以上集まっているそうですね。このサイトを見て署名したよと言ってくださる方も何人もいらっしゃって、こんなサイトでも少しは役に立っているのかなと思っています。この署名は来年の2月末までやっているそうなので、それまではリンクを貼ったままにしたいと思います。

さて、私はというと、 原発のことではとくにこれといった活動に参加することもなく今に至っているわけですが、昨日、ネット上で『脱原発ポスター展』という企画をやっているのを知り、さっそくひとつ作って投稿してみました。右の写真がそのポスターです。ここで紹介するわけですから、もちろんアオサギがモチーフ。下はこのポスターに添えたメッセージです。

『事故が起き、辺りに放射能がまき散らされ、人は皆逃げてしまいました。けれども、アオサギはそこで何が起きているのか知ることさえできません。今年も、これまでと同じように子育てをしたはずです。毎日、大量の放射能を浴び、汚染された魚をヒナに与えて。
アオサギはどんなに苦しもうと、自分たちで原発を止めることはできません。原発を止められるのは私たち人間です。』

実際、ここに登場するのはアオサギである必要はありません。エゾサンショウウオでもカラフトマスでもローランドゴリラでも何でも構わないのです。もしも彼らに原発は必要かとアンケートをとれば、100匹が100匹とも、100尾が100尾とも、100頭が100頭ともNo!と答えるでしょう。それが地球上に生きる資格のある生き物、まともな生き物の当然の主張だと思います。


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