アライグマ騒動
アライグマ騒動
2004/04/17(Sat) 01:57 まつ@管理人 アライグマのこと
先日、アライグマの話を聞く機会がありました。北海道では農業被害が頻発しあまり良い印象はもたれていないアライグマですが、道内での野生化はというと、1979年、恵庭でペット10頭が逃げたのがそもそもの始まりなのだそうです(少なくとも札幌近辺ではということですが)。その後、野幌のアオサギコロニーが襲われ消滅した事件(ただしこれは状況証拠のみ)がありアライグマ問題は一挙に表面化しました。それが1997年ですから、その間約20年、アライグマは地道に勢力を拡大していたわけですね。
現在、北海道ではアライグマの絶滅を目標に、全道で年に1,000頭もの捕獲を行っているそうです。しかし、これでもまだ足りないといいます。また、もしここで捕獲を止めてしまえば、森からあふれたアライグマが街中に出るのは時間の問題なのだとか。野幌の森を逃れたアオサギはいま街中の林に落ち着いていますから、もしアライグマが町に出てくるようになれば一大事です。アオサギにとってはアライグマは一刻も早くいなくなって欲しいはず。しかし、一方のアライグマにしてみれば、何の因果でここまで迫害されなければならないのか、という気持ちでしょう。
人間の身勝手さは覆い隠すべくもありませんが、もしそれをいくらかでも償いたいなら、毎年こんなにも多くのアライグマが殺され続けているという現実をもっと重要視する必要があるのではないでしょうか。同じ過ちを二度と繰り返さないためにも。
2002/05/19(Sun) 11:58 まつ@管理人 営巣場所の異変
このところ、札幌近郊でおかしな場所につくられるコロニーが増えています。
平岡、篠路は住宅地、江別は工業団地。このような環境にコロニーがつくられた例は、北海道ではこれまでほとんどありませんでした。また、夕張のように民家のすぐ裏につくられたアオサギの巣や、幌向ダムのようにブイの上に営巣するようになったケースもあります。そして、先日観察したコロニーも尋常ではありませんでした。このコロニーは幌向ダムから10kmばかり離れた池のほとりにあるのですが、巣の造られている場所が水際ぎりぎりのヤナギ林で、水際というよりほとんどマングローブ林のように根元が水没している状態です。巣はヤナギの2m前後のところに造られており、いくつかの巣はほとんど水面の高さにあります。確かに世界中探せばこのような営巣スタイルも希ではないのかもしれません。けれども、このコロニーを見て奇妙に思うのは、なにもそんなところに巣を架けなくても他につくれる場所がいくらでもあるはずだからです。このコロニーの場合、周りは山で囲まれており手頃な斜面に針広混交林が広がっています。営巣しようと思えばそのスペースは半ば無尽蔵にあるのです。ところで、こうした状況はこのコロニー特有のものではなく、多かれ少なかれ前述した全てのコロニーに当てはまるものです。「巣をつくる場所が他にないわけではないのに、何でわざわざそんなところに?」という疑問をどのコロニーを見ても感じるのです。
そもそも、こんなことが起こり始めたのは野幌にあった大規模コロニーが消滅した頃からでした。当時は消滅の理由がいろいろ取りざたされてきましたが、「アライグマ」というのもかなり有力な候補として挙がっていました。けれども、その理由というのは営巣木に爪跡が残っていた程度のものだったので、アオサギがいなくなった責任を全てアライグマに押しつけるのにはいささか抵抗がありました。しかし、今回ここに書いた一連の状況をアライグマと関連させて見てゆくと、どれもあまりに上手く説明がつくのです。いずれにせよ状況証拠の域は出ないものの、アライグマ犯人説はますます有力になったのではないかと思います。
例えば、平岡、篠路、江別のコロニーは、敢えて周囲と隔離された林を選ぶことでアライグマの侵入を防いでいると見ることができます。幌向ダムや今回紹介したヤナギ林のコロニーは、水を防御壁として用いているようです。アライグマは泳ぐこともできるということですが、地上に営巣して木を登ってこられるよりは安全なのでしょう。夕張のコロニーは、川の対岸にあったものが集落のある方へ移ってきたものですが、その当時、対岸の山ではよくアライグマが目撃されたのに対し、こちら側ではまだ見かけたことがないということです。さらに、このコロニーではいくつものペアが犬小屋のすぐそばに巣を造っています。もしかすると、アオサギがその犬を番犬にしているのではないでしょうか。個人的にはアオサギはそのくらいの知恵は十分もっていると思うのです。
アライグマの分布域は札幌周辺だけでなく全道に広がりつつあると聞きます。そして、こうしている間にもその勢力範囲を着々と広げているはずです。もし、今回の話が本当であるとするなら、営巣状況の異変はまだ始まったばかりで、将来さらに大規模かつ広域的に影響が及ぶことが懸念されます。
今回の話が私の誇大妄想であれば良いのですが…。
2001/08/27(Mon) 20:57 まつ@管理人 アライグマ騒動
1996年から翌年にかけ、札幌で目にする新聞はアオサギの記事をいつになく頻繁に載せました。札幌で古くから親しまれてきた野幌のコロニーが消滅したのです。アオサギが住めなくなった理由はいろいろと憶測されましたが、決定的な原因の一つはアライグマではないかと考えられています。もともとアライグマは北アメリカに住む動物です。そこではアライグマはオオアオサギを襲うことがあるようです。一回り小さなアオサギならオオアオサギよりずっと容易に襲えるでしょう。
アライグマの生息域はどんどん拡大しているそうです。他のコロニーが被害を受けるのも時間の問題かもしれません。ところで、「どこに巣をつくるか」でブイの上にできたコロニーのことを書きました。実はこのコロニー、以前は今の場所から100mばかり離れた山の斜面にありました。そこから移ってきたのですが、何が理由だったのでしょう。ダムの管理人さんが「最近ここでアライグマを見たよ」と言っていたのがなんとも不安です。
かつて野幌は二百数十ものアオサギのつがいで賑わいました。いまそのコロニーは、何十という崩れかけの巣だけが残され、さながらゴーストタウンのようです。アオサギのように集団で繁殖する鳥は、いるときも目立ちますがいなくなった時もすぐ分かってしまいます。これは考えようによってはまだ恵まれているのかもしれません。それまでいなかったただ一種の移入種のせいで、もっと人目に付きにくい生物が人知れず姿を消している可能性は大いにあると思うのです。