アオサギを議論するページ

コロニーの相互関係

コロニーの相互関係

2001/07/16(Mon) 20:35      まつ@管理人      ふたつのコロニー

先日見てきた遠軽のコロニーは実はふたつあります。もともとは瀬戸瀬だけにあったのが最近になって学田にもできました。学田のほうは瀬戸瀬にいた個体の一部が分離してきたのだと推測されます。瀬戸瀬コロニーはオホーツク海から約30kmばかり内陸にあります。学田コロニーは瀬戸瀬コロニーと海との中間にあって海までは20km弱です。で、面白いことにどちらのコロニーの個体も海まで出て採餌しているようなのです。ここの場合は海といっても餌場にしているのはシブノツナイ湖やサロマ湖のようです。それで何が面白いのかというと、瀬戸瀬にいるサギたちが海へ出ようとすると湧別川を下って必ず学田上空を通らなければなりません。それならば初めから学田で繁殖すればいいのに瀬戸瀬コロニーはさらに十数kmも内陸にあります。もしかすると今は瀬戸瀬から学田へコロニーが移動している過渡期で、ゆくゆくは全てのサギが学田へ集まってしまうのかもしれません。それでも瀬戸瀬へ残るサギがいるとすれば、川沿いの餌場とか近くの慣れ親しんだ場所によっぽど執着のある個体なのでしょう。それにしてもどうせ海沿いを餌場にするのならもっと海に近いところに営巣すればいいのになぜそうしないのでしょう。海に近いほうの学田でさえ海から20kmも離れています。アオサギは普通に飛んで時速40km程度です。海を往復するだけで1時間もかかってしまいます。海沿いには営巣場所が無いのでしょうか。森はあっても営巣に適した条件を満たしてないのかもしれません。あるいは、コロニーの近くの川が遠くの海よりトータルで考えると案外重要な餌場になっているのかもしれません。春先は凍った湖よりは川のほうがいい餌場になっているはずです。もっと勝手な想像をすると、巣立ったばかりの幼鳥たちはいきなり海沿いで餌を採るよりは、川の浅瀬なんかのほうが適当な餌を採るのに都合がいいのかもしれませんね。

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