アオサギを議論するページ

サギたちのプロフィール

サギたちのプロフィール

世界には62種のサギがいます。サギはコウノトリ目サギ科に分類される鳥たちで、形も大きさも実にさまざまです。サギ科はさらに17の異なる属に分類され ています。アオサギが属するのは Ardea という属で、このグループにはアオサギを含め14種の姿形の似たサギたちがいます。
このページでは Ardea 属全14種の簡単なプロフィールを紹介します。ここでのイラストは図鑑や写真集等を参考に描いたものですが、体の大まかな輪郭はいずれもオオアオサギをモデルにしています。したがって、細かい部分の形状は実物と異なります。また、命名と体サイズは、Kushlan, J. A. and Hancock, J. A. (2005). The Herons. Oxford University Press Inc., New York. に拠っています。

アオサギ

grey_heron学名 Ardea cinerea 英名 Grey Heron

言わずと知れたアオサギです。形態や行動、生息環境など多くの面で Ardea 属を代表する典型的な種です。ユーラシア大陸の南半分とサハラ砂漠周辺を除くアフリカ大陸に広く生息し、ヨーロッパだけで15万から18万つがいがいると 言われています。個体数の多さや分布域の広さを考えると、サギ類の中で最も成功している種といえるでしょう。4亜種が確認されていますが、このうち日本に いるのは jouyi という亜種で、極東から南アジアにかけて分布しています。それ以外の大部分は基亜種の cinerea です。cinereajouyi はロシア東部では混ざり合っているようです。これ以外に firasa (マダガスカル)と monicae (モーリタニアの島嶼部)が区分されていますが、いずれも生息域が狭く小規模な個体群です。

全長:90-98cm 体重:1020-2073g

オオアオサギ

great_blue_heron学名 Ardea herodias 英名 Great Blue Heron

アオサギをひと回りからふた回り大きくしたサギです。大きさ以外の外見はアオサギとほとんど変わりませんが、繁殖期には首や肩、腿の羽毛がブドウ色に染まり、アオサギとははっきり区別できます。ただし、分布が北中米にほぼ限られるので、アオサギと同時に見られることはありません。北アメリカの大部分にいるのは基亜種の herodias ですが、ほかに6亜種が知られています。このうちフロリダ南部からカリブ諸島にかけて生息する occidentalis とベネズエラ沿岸の repens は、通常の色の個体と白い羽毛の個体が混在しています。この他に、wardi (アメリカ南東部)、fannini (アメリカ北西部からアラスカ)、lessoni (メキシコ)、cognata (ガラパゴス)の各亜種が区分されています。

全長:97-137cm 体重:2200-2500g

ナンベイアオサギ

cocoi_heron学名 Ardea cocoi 英名 Cocoi Heron

アオサギとよく似ていますが、アオサギは頭頂部が白いのに対し、こちらは目の後ろから頭頂部まで真っ黒で、まるでマスクをかぶっているように見えます。大きさはアオサギよりひとまわり以上大きめです。その名のとおりアンデスを除く南米に広く生息しています。亜種は確認されていませんが、南にいる個体のほうが北にいる個体より大きいそうです。学名と英名の cocoi はおそらく人の名前だと思います。

全長:97-127cm 体重:1900-1980g

シロガシラサギ

white-necked_heron学名 Ardea pacifica 英名 White-necked Heron

首の白さが特徴的なサギです。サイズの個体差が大きく、アオサギより大きいのもいれば小さいのもいます。学名は pacifica で、別名 Pacific Heron とも呼ばれますが、太平洋岸一円に生息するわけではなく、実際の分布はオーストラリアに限られています。このサギは、降雨パターンが比較的定まっている東岸や南東岸では定住していますが、他の場所では雨の降り方に応じて絶えず移動しているそうです。

全長:76-107cm 体重:650-860g

オオダイサギ

great_egret学名 Ardea alba 英名 Great Egret

少し前まで亜種オオダイサギと呼ばれていましたが、現在では独立した種になっています。同時に Egretta から Ardea へ属名も変わりました。東南アジアとオーストラリアを除く全世界に広く分布しており、日本には冬鳥として飛来します。おそらく中国東北部から極東ロシアあたりで繁殖した個体が渡ってきているのだと思います。亜種は、ユーラシア、アメリカ、アフリカの大陸ごとに区分され、それぞれ albaegrettamelanorhynchos と呼ばれます。このうち最も大きいのが日本にも飛来する alba で、アオサギと並ぶとオオダイサギのほうがやや大きく見えます。

全長:85-102cm 体重:930-1700g

チュウダイサギ

eastern_great_egret学名 Ardea modesta 英名 Eastern Great Egret

日本で繁殖するダイサギです。以前は亜種チュウダイサギと呼ばれていましたが、現在は独立した種になっています。オオダイサギとともに Egretta から Ardea へ属名も変更されました。生息域はオオダイサギのそれよりもずっと狭く、東および南アジアとオーストラリア周辺に限られます。アオサギやオオダイサギに比べるとやや小さめです。また、ニュージーランドにいる個体は少し大きく、亜種 maoriana として区別される場合もあるようです。

全長:83-103cm 体重:♀760g ♂970g

チュウサギ

intermediate_egret学名 Ardea intermedia 英名 Intermediate Egret

もともとは Egretta 属でしたが、ごく最近 Ardea 属に仲間入りしました。Ardea 属のなかではかなり小さめのサギで、水陸いずれの環境にも適応した中間的な性質をもっています。旧世界の広範囲にわたって分布していますが、生息地としては日本が北限で、大部分は日本よりも南にいます。亜種は3つに区分されます。日本から東南アジア、インドにかけて分布するのが intermedia で、亜種の中では中間的な大きさです。最も大きくなるのは brachyrhyncha で、サハラ以南のアフリカに生息しています。オーストラリアを中心に分布する plumifera は少し小さめですが、繁殖期の飾羽は最も華やかになるそうです。

全長:65-72cm 体重:400-500g

ズグロアオサギ

black-headed_heron学名 Ardea melanocephala 英名 Black-headed Heron

その名のとおり黒い頭のサギですが、頭以外も全体的に黒っぽく見えます。アオサギと比べるとわずかに小さいです。サハラ以南のアフリカに広く分布し、10万から50万羽が生息すると推測されています。Ardea 属の中ではアマサギと並んで数少ない陸生のサギで、草地などの開けた陸生環境で採餌しますが、全くの渇いた環境よりは多少水のある所のほうを好むようです。

全長:約92cm 体重:710-1650g

マダガスカルサギ

malagasy_heron学名 Ardea humbloti 英名 Malagasy Heron

アオサギよりやや大きめのくすんだ色の地味なサギです。マダガスカルとコモロ諸島の海岸沿いに生息しています。個体数は5000羽以下と見積もられており、地域によっては急速に減少しているようです。生態についてはよく分かっていません。

全長:92-100cm 体重:不明

シロハラサギ

white-bellied_heron学名 Ardea insignis 英名 White-bellied Heron

とても大きなサギです。あまりインパクトのない名前ですが、Imperial Heron という堂々とした別名もあります。以前は学名も imperialis でした。インド東部やブータンなどごく限られた地域に生息し、内陸の湿地林に単独で営巣します。個体数は1000羽以下と推測されており、絶滅が心配されている種です。滅多にお目にかかれないため、その生態は謎に包まれています。

全長:127cm 体重:不明

スマトラサギ

sumatran_heron学名 Ardea sumatrana 英名 Sumatran Heron

別名 Giant Heron と言われるだけあって大きなサギで、シロハラサギと近縁と考えられています。ただし、こちらは今のところ個体数も多く絶滅の心配は無いようです。東南アジアからオーストラリア北部の海沿いに生息し、マングローブ林で単独営巣します。Ardea 属の他のサギにくらべ、鳴き声に豊かなバリエーションがあるそうです。詳しい生態は知られていません。

全長:110-115cm 体重:1300-2600g

オニアオサギ

goliath_heron学名 Ardea goliath 英名 Goliath Heron

名前にオニが付くことからも分かるように、びっくりするほど大きなサギです。学名と英名は旧約聖書に登場する巨人兵士「ゴリアテ」に由来します。アフリカ のサハラ以南を中心に生息していますが、生息密度は低いようです。ひとつがいだけで営巣することもあれば、コロニーをつくることもあります。水辺に強く依存し、水辺から遠く離れた場所にはいません。餌を獲る際には、小さな魚は無視し、30cm前後の大きな魚だけを狙うといいます。

全長:150cm 体重:4300-4468g

ムラサキサギ

purple_heron学名 Ardea purpurea 英名 Purple Heron

紫というよりオレンジ色で、首のサイドラインが印象的なサギです。アオサギよりひとまわり小さく、首から頭、嘴にかけて細長い感じがします。Ardea 属のサギは雌雄が区別しにくい場合が多いのですが、このサギは雌雄でサイズや色合いが異なります。葦原の生活に特化したサギで、旧世界に広く分布しています。基亜種はヨーロッパからアフリカにかけて分布する purprea で、八重山諸島から東南アジア、インドにかけては manilensis という亜種が生息しています。このほか、マダガスカルとカーボベルデにはそれぞれ madagascariensisbournei が分布します。

全長:78-90cm 体重:525-1345g

アマサギ

cattle_egret学名 Ardea ibis 英名 Cattle Egret

Ardea 属の中では極端に小さなサギです。以前は Bubulcus という独自の属に分類されていたほどで、Ardea 属の他のサギとは大きさ以外にも体型や習性など様々な相違点があります。草地で昆虫(とくにバッタ)を食べるのに特化した陸生のサギです。日本をはじめ中 緯度地域に全世界的に分布します。基亜種の ibis は中東からアフリカ、さらに南北アメリカに分布し、亜種 coromanda は日本からインド、オーストラリアにかけて分布します。名前のように繁殖期には美しい亜麻色になりますが、coromanda のほうが染まる部分がより広範囲で、色も一層鮮やかなようです。

全長:46-56cm 体重:270-510g

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