アオサギを議論するページ

サギたちのプロフィール

サギたちのプロフィール

世界には72種のサギがいます。サギはペリカン目サギ科に分類される鳥たちで、形も大きさも実にさまざまです。サギ科はさらに19の異なる属に分類されています。このうちアオサギが属するのは Ardea 属(アオサギ属)で、このグループにはアオサギをはじめ11種の姿形の似たサギたちが含まれます。

このページでは Ardea 属全11種の簡単なプロフィールを紹介します。なお、ここでの分類はIOC(International Ornithological Congress)策定のWorld Bird List(2015年現在のもの)に準拠し、記載内容は、Kushlan, J. A. and Hancock, J. A. (2005). The Herons. Oxford University Press Inc., New York. を参考にしています。また、イラストは図鑑や写真集等を参考にしましたが、身体の大まかな輪郭はいずれもオオアオサギをモデルにしています。このため細部の形状は実物と異なる場合があります。

アオサギ

grey_heron学名 : Ardea cinerea     英名 : Grey Heron

grey_heron言わずと知れたアオサギです。形態や行動、生息環境など多くの面で Ardea 属を代表する典型的な種です。ユーラシア大陸の南半分とサハラ砂漠周辺を除くアフリカ大陸に広く生息し、ヨーロッパだけで15万から18万つがいがいると言われています。個体数の多さや分布域の広さを考えると、サギ類の中で最も成功した種のひとつといえるでしょう。4亜種が確認されていますが、このうち日本にいるのは A. c. jouyi という亜種で、極東から南アジアにかけて分布しています。それ以外の大部分は基亜種の A. c. cinerea です。A. c. cinereaA. c. jouyi はロシア東部では混ざり合っているようです。これ以外に A. c. firasa (マダガスカル)と A. c. monicae (モーリタニアの島嶼部)が区分されていますが、いずれも生息域が狭く個体群も小規模です。

全長 : 90-98cm   体重 : 1020-2073g

オオアオサギ

great_blue_heron学名 : Ardea herodias     英名 : Great Blue Heron

great_blue_heronアオサギをひと回りからふた回り大きくしたサギです。大きさ以外の外見はアオサギとほとんど変わりません。ただし、繁殖期には首や肩、腿の羽毛がブドウ色に染まり、アオサギとはっきり区別できます。もっとも、分布が北中米にほぼ限られるので、アオサギと同時に見られることはありません。北アメリカの大部分にいるのは基亜種の A. c. herodias ですが、ほかに4亜種が知られています。このうちフロリダ南部からカリブ諸島にかけて生息する A. c. occidentalis は通常の色の個体と白い羽毛の個体が混在しています。この他、A. c. wardi (アメリカ南東部からメキシコ北西部)、A. c. fannini (アメリカ北西部からアラスカ)、A. c. cognata (ガラパゴス諸島)の各亜種が区分されています。

全長 : 97-137cm   体重 : 2200-2500g

ナンベイアオサギ

cocoi_heron学名 : Ardea cocoi     英名 : Cocoi Heron

cocoi_heronアオサギとよく似ていますが、アオサギは頭頂部が白いのに対し、こちらは目の後ろから頭頂部まで真っ黒で、まるでマスクをかぶっているように見えます。大きさはアオサギよりひとまわり以上大きめです。その名のとおりアンデスを除く南米に広く生息しています。亜種は確認されていませんが、南にいる個体のほうが北にいる個体より大きいそうです。学名と英名の cocoi はおそらく人の名前だと思います。

全長 : 97-127cm   体重 : 1900-1980g

シロガシラサギ

white-necked_heron学名 : Ardea pacifica     英名 : White-necked Heron

white-necked_heron首の白さが特徴的なサギです。サイズの個体差が大きく、アオサギより大きいのもいれば小さいのもいます。種小名に pacifica とあるとおり、別名 Pacific Heron とも呼ばれますが、太平洋岸一円に生息しているわけではなく、生息域はオーストラリアに限られています。また、定住しているのは降雨パターンが比較的定まっている東岸や南東岸だけで、他の場所では雨の降り方に応じて絶えず移動しているそうです。

全長 : 76-107cm   体重 : 650-860g

ズグロアオサギ

black-headed_heron学名 : Ardea melanocephala     英名 : Black-headed Heron

black-headed_heronその名のとおり黒い頭のサギですが、頭部以外も全体的に黒っぽく見えます。アオサギと比べるとわずかに小型です。サハラ以南のアフリカに広く分布し、10万から50万羽が生息すると推測されています。Ardea 属としては珍しく陸生のサギで、草地などの開けた陸生環境で採餌します。ただ、全くの渇いた環境よりは多少水のある所のほうを好むようです。

全長 : 約92cm   体重 : 710-1650g

マダガスカルサギ

humblots_heron学名 : Ardea humbloti     英名 : Humblot’s Heron

humblots_heronアオサギよりやや大きめのくすんだ色の地味なサギです。和名にあるとおり、マダガスカル西岸とコモロ諸島の海岸沿いに生息しています。個体数は5000羽以下と見積もられており、地域によっては急速に減少しているようです。Ardea 属の中ではシロハラサギに次いで絶滅が危惧される種です。生態についてはよく分かっていません。少し前まではMalagasy Heronの名で通っていました。

全長 : 92-100cm   体重 : 不明

シロハラサギ

white-bellied_heron学名 : Ardea insignis     英名 : White-bellied Heron

white-bellied_heronとても大きなサギです。あまりインパクトのない名前ですが、Imperial Heron という堂々とした別名もあり、以前は種小名も imperialis でした。インド東部やブータンなどごく限られた地域に生息し、内陸の湿地林に単独で営巣します。個体数は1000羽以下と推測されており、Ardea 属の中ではもっとも絶滅が心配されている種です。滅多にお目にかかれないため、その生態は謎に包まれています。

全長 : 127cm   体重 : 不明

スマトラサギ

great-billed_heron学名 : Ardea sumatrana     英名 : Great-billed Heron

great-billed_heron別名 Giant Heron と言われるだけあって大きなサギで、シロハラサギと近縁と考えられています。ただし、こちらは今のところ個体数も多く絶滅の心配は無いようです。東南アジアからオーストラリア北部の海沿いに生息し、マングローブ林で単独営巣します。Ardea 属の他のサギにくらべ、鳴き声に豊かなバリエーションがあるそうです。詳しい生態は知られていません。少し前までは和名と同じく Sumatran Heron と呼ばれていました。

全長 : 110-115cm   体重 : 1300-2600g

オニアオサギ

goliath_heron学名 : Ardea goliath     英名 : Goliath Heron

goliath_heron名前にオニが付くことからも分かるように、びっくりするほど大きなサギです。学名と英名は旧約聖書に登場する巨人兵士「ゴリアテ」に由来します。アフリカのサハラ以南を中心に生息していますが、生息密度は低いようです。ひとつがいだけで営巣することもあれば、コロニーをつくることもあります。水辺に強く依存し、水辺から遠く離れた場所にはいません。餌を獲る際には、小さな魚は無視し、30cm前後の大きな魚だけを狙うといいます。

全長 : 150cm   体重 : 4300-4468g

ムラサキサギ

purple_heron学名 : Ardea purpurea     英名 : Purple Heron

purple_heron紫というよりオレンジ色で、首のサイドラインが印象的なサギです。アオサギよりひとまわり小さく、首から頭、嘴にかけて細長い感じに見えます。Ardea 属のサギは雌雄が区別しにくい場合が多いのですが、このサギは雌雄でサイズや色合いが異なります。葦原の生活に特化しており、旧世界に広く分布しています。ヨーロッパからアフリカにかけて生息する A. c. purprea が基亜種で、他に3亜種が区分されています。マダガスカルとカーボベルデには、それぞれ A. c. madagascariensisA. c. bournei が生息し、八重山諸島から東南アジア、インドにかけて A. c. manilensis が生息しています。

全長 : 78-90cm   体重 : 525-1345g

ダイサギ

great_egret学名 : Ardea alba     英名 : Great Egret

great_egretいわゆるシラサギ類の中では最も大きな種で、ほぼ全世界的に分布しています。基亜種は、ヨーロッパからロシア極東にかけて生息する A. c. alba で、他に、東および南アジアとオーストラリア周辺に A. c. modesta、南北両アメリカに A. c. egretta、アフリカに A. c. melanorhynchos が生息しています。日本では A. c. modesta が繁殖しており、冬季にはやや大きめの A. c. alba が大陸から越冬に渡ってきます。なお、A. c. modesta は2008年から3年間ほど別種扱いになっていましたが、現在は単一種に統合されています。日本では A. c. modesta をチュウダイサギと呼ぶことがあります。

全長 : 83-103cm   体重 : 760-1700g


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