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新日本海新聞
サギ今年も第一陣が営巣 鳴き声や”ふん害”深刻化
営巣を始めたアオサギ。5月には山が白くなるほど多くのサギが集まってくる=米子市陽田町、陽田山の山林

米子市陽田町の陽田山(標高53メートル)の山林に昨年春、サギが集団移転。鳴き声やふんによる騒音、悪臭が周辺住民を悩ませてきたが、今年もサギの第一陣が飛来し、営巣を始めた。陽田町自治会(松田和美会長)は昨年来、さまざまな撃退法を試してきたが、効果はなかった。市議会が今年3月、同自治会から出された陳情を趣旨採択したことで、市も本格的に動き出したが、野鳥を駆除するわけにもいかず、対応に苦慮している。

サギが陽田山に居ついたのは昨年3月から。同5月には200羽以上に増え、「ギャア、ギャア」と鳴いたり、民家の屋根の上を旋回し、ふんをまき散らした。陽田山のふもとにある住宅街は、山からえさ場に向かうサギの通り道となっている。民家から20メートルも離れていない樹上に巣をつくるケースもあり、山に隣接した民家は特に被害が深刻だ。

サギは、10年以上前から同市大谷町にコロニー(集団繁殖地)をつくっていた一団が集団移転してきたものとみられる。山のふもと付近の山林では、アオサギ、ダイサギ、コサギなど数種類が集団生活し、日野川や中海のえさ場と山を頻繁に往復している。今年も3月に数十羽が第一陣として飛来し、営巣を始めた。

自宅が山林に面している藤山淳さん(71)は「夏は暑くても、ふんがくさくて窓が開けられないし、鳴き声がうるさくて眠れない。屋根はふんで真っ白になり、洗濯物も干せない」とサギ被害を嘆く。

陽田町自治会は昨年、山の近くで花火や爆竹を鳴らしたり、天敵のオオタカの鳴き声をスピーカーで流したりと、さまざまな撃退法を試みたが、サギは一時的に飛び去っても、また元の巣に戻って来るため効果はなかった。

日本野鳥の会自然保護室(東京都日野市)によると、サギは繁殖前に山に人が出入りしプレッシャーを与えると巣を作らないケースがあるが、一度すみつくと巣に執着するという。

地元住民からは「消防車の放水で巣を落としては」「松くい虫の農薬を空中散布しては」といった案も出ているが、直接的な駆除や営巣を始めたサギを追い払う行為は鳥獣保護法に抵触し、現実には難しい。

県や市からは、サギが巣をつくる前に営巣木を伐採する案が自治会に提案されている。しかし、伐採には多額の費用がかかることや、市の保安林のため30%までしか伐採できず、松田自治会長は「林業の専門家に見てもらったが、9割を伐採しないと効果がないと言われた」と話す。

一方、今春からサギ対策に乗り出すことになった米子市の山形哲夫・耕地課長は「サギのすむ環境を変えればいなくなるかもしれないが、営巣前にしなければならず、今シーズンの対策は難しい」と話す。今後は県や自治会と方策を検討し、サギがいなくなる9月から来年2月ごろまでに実施したい、としている。

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