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北海道新聞
温暖化で道内に繁殖地増えた?! アオサギ営巣4.5倍 市民グループ代表が調査
<写真:アオサギのヒナ(左)と成鳥=2004年5月、江別市内(松長克利さん提供)>

水辺などに生息するアオサギの道内における営巣数が40年前の4.5倍の約4500個に増えていることが、4日までに札幌の市民グループ「北海道アオサギ研究会」の松長克利代表(39)の調査で分かった。分布は全道に広がっており、松長さんは「温暖化の影響で繁殖地が北上したのではないか」と推測している。

調査は繁殖期(春から夏)と非繁殖期(秋から冬)に分けて2001年10月から05年2月まで実施。使われている巣と放棄された巣を区別し、01-04年の間における営巣数を約4500個と確認した。60年当時の営巣数は文献資料に基づき約1000個と推定した。

巣を一定の集まりのコロニー(集団営巣地)として数えると、01-04年のコロニーは76カ所。管内別では空知の12カ所と上川の10カ所が多く、石狩川など大きな河川や湖沼、海岸沿いに多く分布していた。最大は約350個の巣を含む網走湖コロニー(53300平方メートル)だった。

コロニー数の推移を松長さんの1991年からの調査と文献を基にたどると、60年は6カ所だったのが、80年は14カ所、90年は48カ所。80年代に急増したことが分かった。分布が内陸に広がり、住宅街近くの林などにコロニーを形成する例も増えている。

巣の増加に伴う農漁業への被害も確認された。標津(根室管内)や阿寒湖(釧路管内)など13カ所のコロニー近くの養魚場やふ化場で魚を食べられていたほか、水田の稲が踏みつぶされたり、ビニールハウスが破られるなどの例があった。

営巣数が増えた理由について松長さんは、地球の温暖化や工場の温排水などの人為的な理由で「春先の水辺の解氷が早まり、利用できる餌場が増えたために北海道に渡る個体が増えたのではないか」と推測している。

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