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朝日新聞
サギの巣、大木消す
常念寺にできたサギのコロニー=6月25日、鈴木淳士さん撮影

∞鶴岡の寺や神社 鳴き声・ふん被害対策で

●市、防鳥網の利用研究へ

鶴岡市中心部の寺や神社から大木が次々と消えている。アオサギやゴイサギのコロニー(集団営巣地)のせいで鳴き声やふんなどに住民の苦情が絶えず、伐採するしかなくなるためだ。同市は、来春から防鳥ネットの利用など新たな対策に乗り出す構えだ。

同市睦町の常念寺は今年9月、墓地などの100本近い樹木のうち、樹齢100年以上のスギやイチョウなど17本を伐採した。「木は切りたくなかった。でも、病人まで出てはどうしようもない」。渡辺成就住職は残念そうだ。

最初は5月、大型のサギが4、5羽、境内一高いスギの木にやって来た。「偵察だったらしい」。間もなくアオサギやゴイサギが巣作りを始めた。驚いて市に連絡したが、サギの捕獲は鳥獣保護法で禁じられていると知った。

ふんや夜通しの鳴き声に、住民から苦情の電話が深夜も来た。生まれたヒナはエサを求めてキェッ、キェッと泣きわめいた。毎日ふんをそうじし、脱臭剤もまいたが、8月には眠れないため体調を崩し、通院する人まで出た。市環境課や県にも相談し、鳥を脅す目玉風船や爆竹、木酢液の塗布なども試したが、決定的な効果はなかった。

町内会長や寺関係者と対策を検討したうえ、ヒナの巣立ちを待って9月、高木の伐採に踏み切った。一方で、富塚陽一市長(当時)に対策への支援を求め、住民1058人の署名を添えた要望書を提出した。渡辺住職は「来年は偵察の時点で追い払う。防鳥ネットや爆竹、何でも使いコロニーを作らせない」と語る。

市内の境内では、サギ対策の樹木伐採が繰り返されてきた。1998年に大督寺(家中新町)の酒井家墓所で千羽以上が集まり、苦情が殺到、寺は墓所の木をすべて切り倒した。07、08年には上山王日枝神社(日枝坂本)に300羽以上のコロニーができ、神社は70本を伐採した。正覚寺(鳥居町)でも、サギの出没などで伐採している。

7日の市議会12月定例会一般質問で、渡辺洋井議員がサギ対策をただした。樹木伐採には数百万円かかり、寺や神社が負担する。「対策を個人任せにすれば、鶴岡から緑がなくなりかねない。専門家を入れた対策委員会を設置すべきだ」と指摘した。

渡辺氏によると、2002年に国交省が赤川の掘削工事を始め、河川敷のコロニーも市内へ移ったという。

これに対し、大滝匡生環境部長は「市街地にある『鎮守の森』の伐採は非常に残念だ」として、来年度にサギなどのコロニー作りを防止するため、防鳥ネットの利用など新たな対策の調査・研究をする方針を明らかにした。

自然保護団体「尾浦の自然を守る会」の会長で野鳥の生態に詳しい太田威さんは「赤川河川敷のコロニーが改修工事で消え、追われたサギが市街地に移った。コロニーに適した樹林などを残さないと、いたちごっこが続くだけだ。カラス問題同様、人間が引き起こした事態で、もう少し長い目で対策を立てる必要がある」と話している。

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