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中日新聞
アオサギ大量出没 公園、神社でふんや鳴き声被害
アオサギの巣が張られた木。卵を狙ってカラスが訪れ、親鳥が威嚇している=一宮市玉野の八剱神社で(渡部与明さん提供)

大型のサギの一種アオサギが西尾張地方の公園や神社に大量出没し、ふんや鳴き声の被害が深刻化している。かつて河川敷や森に見られたが、木々の減少で営巣地を求め、市街地に移動してきたという。生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の名古屋開催を控え、生態系を壊さず共存するすべが問われている。

一宮市玉野の八剱(はちけん)神社。市天然記念物に指定されたクロガネモチの木の上では、アオサギが集団で巣を作り、卵を温めている。

幹や根元を見ると、ふんで真っ白に。親鳥がエサとして運んでくる魚とともに異臭を放つ。やがてひながかえれば、鳴き声による騒音被害も発生する。

「アオサギの営みは大事だけど、貴重な木も守らなければ…」。野鳥の撮影を趣味とする近くの渡部与明さん(69)は困惑する。

県弥富野鳥園(弥富市)によれば、アオサギは3月下旬〜6月上旬、高い木々の上で集団営巣。ふんは酸性が強く光合成を妨げるため、放置すると木が枯れる恐れがある。

松林がふんにまみれていた一宮市萩原町の万葉公園では、市がクレーン車で巣の撤去作業を続け、昨年から飛来数が減少した。

一方、数1000羽のサギ類が生息する東名阪自動車道の弥富、蟹江両インターチェンジの緑地帯では今春、共生の試みが始まった。

車との接触事故の恐れがない区域に、高さ4.5メートルのフェンスで囲った「サギの生息空間」を造成。サギたちは狙い通り、空間内で営巣を始めている。中日本高速道路名古屋支社は「せっかくすみ着いた環境を壊したくなかった」と説明する。弥富野鳥園の伊藤康宏所長は「被害がひどければ、巣の撤去や木の伐採などもやむを得ないが、ひなが生まれる時期を避けて実施するなど、共存できる方策が望ましい」と話している。

(谷悠己)

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