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毎日新聞
鳥のフン害で樹木枯死 近隣公園へデコイで誘引 山口・雌島
アオサギを呼び込むため、草むらに置かれるデコイ=山口市のきらら浜自然観察公園で、森紗和子撮影

山口市秋穂二島沖の無人島で、干潮時に歩いて渡れるためフランスの世界遺産にちなみ「山口のモン・サン・ミッシェル」と称される「雌島(めしま)」。この名所の樹木が集団営巣するサギやカワウのフン害で次々に枯死している。近くの県立きらら浜自然観察公園は3月から、鳥を園内に呼び込み営巣を促す取り組みを始めた。【森紗和子】

雌島は山口湾に注ぐ南若川河口部にあり、面積約1400平方メートルの小島。かつて緑に覆われていたが、サギなどが繁殖し始めた2011年以降、枯死する樹木が続出した。同公園の原田量介園長(66)によると、大量のフンに含まれる窒素とリン酸が樹木の生育を阻んでおり、「あと5年もすれば枯れ果て、鳥もいなくなるのではないか」と懸念する。

このため同公園は、園内の岸辺の草むらにアオサギの平面デコイ(模型)を約30体設置した。仲間が集まっているように見せかけて呼び込む狙いで、アオサギがとどまり繁殖すれば、安全な場所だと認識した他種のサギも呼び込めるという。

成功すれば、雌島の荒れた自然環境の回復が見込まれる。さらに鳥を恒久的に繁殖させることができれば、バードウオッチングの拠点として“一石二鳥”の効果も得られる。

園内にはまた、絶滅危惧種の渡り鳥クロツラヘラサギを保護する施設「日本クロツラヘラサギ保護・リハビリセンター」がある。釣り糸や釣り針がくちばしに絡まるなどしてけがをした個体を保護し、さらに他の個体も呼び込んでクロツラヘラサギの国内初の繁殖地を目指している。

原田園長は「バードウオッチングとは野鳥を通して自然の素晴らしさを知り、学び、守ること。サギの子育てを見てもらい、一人でも多く環境保全に取り組む人を増やしたい」と語った。

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