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オオアオサギの営巣状況の経過報告

オオアオサギの営巣状況の経過報告

昨シーズンから、ニューヨークのコーネル大学がオオアオサギの営巣をライブ中継しています。その様子はこちらのページで四六時中公開されているのでご存知の方も多いことでしょう。当ページは、営巣の経過や映像に関連した情報を勝手にまとめて紹介するページです。ライブ映像を御覧になる方にいくらかでも参考になれば幸いです。

なお、ライブ中継のページにはオオアオサギについてのよくある質問をまとめたページがリンクされています。それを和訳(意訳)したページを(途中まで)つくりましたので、必要であれば御覧いただければと思います。

これまでの経過

〔昨シーズンまでの状況〕
オオアオサギがこの巣で営巣を始めたのは2009年で、以来4年間、毎年ヒナを巣立たせています。昨年は5卵産み、5羽とも巣立たせました。

〔今シーズンの状況〕(日付は現地時間)
3月16日 1羽が今シーズンはじめて巣に飛来。ただし、昨年ここで営巣したオオアオサギと同じかどうかは不明。この後も何度か飛来。

4月4日 昨年ここで営巣した雄が巣に飛来。形態的特徴から昨年と同じ雄とみて間違いありません。

4月8日 雌が巣に飛来。ペアで求愛行動を開始。《動画》ペアになるのが比較的スムーズだったことから、雌も昨年と同じ雌である可能性が高いと思います。

4月9日 最初の交尾。《動画》この映像の交尾は、交尾としては典型的なものではないと思います。少なくともアオサギの場合は、交尾に至るまでに相手の注意を引くための求愛行動があります。

4月14日 13:48頃 1卵目を産卵。《動画

4月16日 16:43頃 2卵目を産卵。《動画》産卵直後、父さんサギは祝福の花をもって戻りました。

4月18日 22:38頃 3卵目を産卵。《動画》今回は夜間の産卵のため白黒の映像です。座って一瞬後に立ち上がると魔法のように卵が増えています。エッと思って解説を読んでみると、20分ほどの映像を編集したものようでした。

4月20日 21:23頃 4卵目を産卵。《写真》ここまでの産卵の間隔は、51時間、54時間、47時間となっています。

4月23日 01:23頃 5卵目を産卵。《動画》今回の産卵間隔は52時間。動画には産卵時に羽毛を2度ほど膨らませる様子が映っています。

5月14日 18:33 卵に割れ目が入っているのを確認。いよいよヒナが内側から殻を割りはじめたようです。《写真》一番上の卵の中央やや左下の傷のようなのがそうです。

5月15日 14:05 最初のヒナ誕生!《動画》一般には、ヒナが卵を割りはじめてから孵化まで2日かかると言われていますが、今回は1日もかからずに生まれました。人一倍元気なヒナなのでしょう。

5月16日 05:52 ヒナ誕生後、最初の給餌。《動画》もっと小さく消化された餌を与えるのかと思いきや、父さんサギが吐き戻したのはヒナとほとんど同サイズの魚の半身。ヒナは岩を砕くような感じで、ほんの小さなかけらを口に入れていました。

5月16日 11:37 2卵目に割れ目を確認。《写真》写真は孔が開きはじめてから約5時間後、卵の殻に小さな窓ができました。

5月17日 05:59 2羽目のヒナ誕生!《動画》この動画の時点では、首から下は外に出ているものの、頭のほうはまだ殻から抜け出せていません。

5月18日 07:15 3卵目に直径7、8ミリの穴を確認。

5月18日 23:04 3羽目のヒナが誕生したようです。真夜中なので暗くて確かなことは分かりません。(追記;間違いなく生まれてました!)

6月23日 結局、残りの2卵は孵化しませんでした。1卵は2、3週間前に巣から消えています。そして、この日、残っていた1卵が割れ、ヒナが殻を巣の外に投げ捨てているのが確認されました。

7月10日 12:22 1羽目のヒナが巣立ちました。直前に枝から枝に数メートル飛び、その後、下にある池に飛び降りていきました。《動画》最初のヒナが孵化して56日目の巣立ちでした。

7月14日 9:56 2羽目のヒナが巣立ちました!《動画》1羽目の巣立ちから4日。けっこう慎重なヒナだったのですね。

7月16日 8:22 最後のヒナが巣立ちました。《動画》これでとりあえず全てのヒナの巣立ちが完了したわけですが、巣からヒナの姿が完全に消えるわけではなく、もうしばらくは巣やその周辺に留まり、親が戻れば親から餌をもらいます。

(この先も何か特別なことがあれば随時追記していきます。)

オオアオサギとは

オオアオサギはアオサギにごく近縁なサギの仲間です。アオサギが旧大陸に広く分布域をもっているのに対して、オオアオサギは北米のみに生息します。このため自然界で両者が出会うことはまずありません。オオアオサギはアオサギに比べると身体のサイズが一回り大きくなりますが、見かけはアオサギとほとんど変わりません。

営巣地周辺の状況

中継されているのはニューヨーク州のイタカ(Ithaca)という街の郊外の巣で、営巣木は水中に立つ枯木です。この木には他にオオアオサギの巣はなく、それどころか、周囲の木にも巣はつくられていません。つまり、コロニーではなくまったくの単独営巣なのです。

mamdad雄と雌の見分け方

一般的にサギ類の雌雄を野外で見分けるのは困難です。ただしこの巣のペアは、雄の右脚の後ろ指がたまたま欠けているため雌雄を容易に判別できます。また、雌(写真上)は目と黒い眉斑の間に白い部分が残っているのに対し、雄(写真下)はその部分がほとんど無いことでも見分けられます。もちろんこの巣のペアに限っての話です。

ライブ中継ページについて

映像は巣の横に設置されているビデオで撮られています。画面は固定されており、広角レンズを使っているため画面の端では画像が多少歪んで見えます。映像は基本的に24時間中継されています。ただし、暗くなると夜間用の白黒映像に切り替わります。日本とニューヨークの時差は13時間あり、日本のほうが13時間進んでいます。映像画面の左下隅に小さく記されているのが現地時刻です。

映像の左下にある”View 2nd Camera Angle”というボタンをクリックすると上方向からの映像が見られます。これは巣の上方の枝に取り付けたビデオからの映像です。こちらは可動式になっており、巣の内部だけでなく巣を離れたサギを追いかけている場合もあります。こちらは常時稼働しているわけではなくしばしばオフラインになります。

メイン映像の下の”Heron Cam 3″という大きなボタンをクリックすると巣の側面からの映像が見られます。これは地上から撮影しているもので、7月2日から稼働しています。巣立ち期のヒナは巣の周辺の枝にいることが多いので、その様子を確認するにはこの映像が便利です。音声はありませんが、メイン映像と異なり、太陽の角度に煩わされることなく常にクリアな映像が見られます。ただし、こちらも常に稼働しているわけではありません。

映像画面右側には視聴者のチャットが表示されています。このチャットに書き込むには映像の配信元のLivestreamのアカウントが必要です。チャットの下にある”Login”のボタンをクリックすれば、Livestreamのページですぐにアカウントを取ることができます。チャットのテキストが太字になっているのは、その人がこのチャットの管理人であることを示しています。現在、十数人が持ち回りで管理しているようです。チャットは朝6時に始まることが多いようで昼間はほぼずっとやっています。ただし、アオサギのほうに動きがほとんど見られなかったり、管理する人がだれもいなくなったりすれば時間帯に関係なく閉じられます。夜間は不定期ですが、管理人がくたびれなければ深夜2時過ぎでもやっていたりします。

【追記】2013年は7月29日より巣立ち後の配信シフトに切り替わり、以下の時間帯のみチャットがオープンするようです。現地時間、6時〜8時、11時〜13時、18時〜20時(日本時間、0時〜2時、7時〜9時、19時〜21時)。なお、現地では10月27日にサマータイムが終了するので、日本時間では上記時刻に1時間が追加されることになります。

営巣状況についてはtwitterのほうでとても詳しく報告されています。また、大きなイベントについてはfacebookのほうにも記事が載せられています。

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